[132] 広義の木材利用促進こそ

日本産、敷居・鴨居のカットサンプル。ニュージーランド産ラジアータパインが、見えないところで日本の和室にも使われている。

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ここで早計に「国産材は!?」などと目くじらを立てずに、芯材にもしっかりと無垢材が使われているところをきちんと評価されたい。ちゃんと木が選ばれているのだから。鉄やプラステックが使われるよりも良くないですか? あとはそれぞれが知恵を出し競争力を磨き、マーケットに《適材適所》を選んでるもらうというのが自由市場本来の面白いところで、それが木材市場の成熟や裾野の拡大にも繋がるはず。

仕事柄、日本林業の国際市場における競争力について意見を求められることがある。場に合わせ言葉は選ぶが、真っ先に頭に浮かぶのは「前提として、補助金で回っている産業にコスト競争力は無いのでは?」ということだ。競馬に例えると最初からハンデ戦だから、そもそもどちらが強いかを問われても難しい。ビジネス的な極論を言うと、残された市場戦略は差別化しかない。この認識(危機感)は必要だと思う。

話は少し脱線するが、たとえば一元一律的な間伐補助金などは、市場を歪めているように見えてならない。そして、産業としての競争力は伸びず仕舞い。まずは国産材・外材を問わず、広義での《木材利用促進》を基本政策とするべきではなかろうか。同じ土俵(ここは競争力を語る上でとても重要)の上に立ち、なお国産材に魅力・実力があるのなら、自ずと国産材の消費は進むだろう。敵は外材ではない。


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