[071] NZの製材輸出 2016

ニュージーランドの針葉樹製材輸出について、2016年の数値とこの10年間の推移を見てみます。

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2016年の針葉樹製材輸出量は1.7百万㎥、前年比で -2.3%です。2010・2012・2013年での年間2百万㎥超え以降、3年連続で停滞気味の数値となっています。近年の国内製材生産量が4百万㎥前後ですから、その40~45%が輸出市場向けということになります。最大輸出相手国はここでも中国で全体の22%、以下はこの数年大きな変動がなく、米国 > オーストラリア > ベトナム > タイ > 韓国とここまでが10万㎥以上。台湾 > インドネシアと続いて日本は3万6千㎥で第9位(2%)でした。

ひと昔前には、オーストラリア・米国・日本の3市場でニュージーランドの製材輸出のほとんどを担う時代があったのですが、この10年での中国向けの増加と、従来型成熟市場向けの減少が見られます。同時に、その他の国への輸出先の多様化も進みました。丸太輸出が中国、韓国、インド、日本の4カ国で99%を占める状況とは対照的です。

俯瞰すると、2000年代半ばまでの順調な伸びの後、この10年ほどでの製材生産量・輸出量は頭打ちです。その背景には好調な丸太輸出ビジネスがあり、その結果としての、国内製材産業の相対的な競争力の減退があります。計らずも丸太輸出業vs国内製造業となっている図式が、現在のニュージーランド林産業の特徴のひとつと言えます。


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