[159] 日本の国産用材率2022

日本の木材需給表と自給率を見て想うこと。

林野庁発表の2022年次資料によると、日本の木材自給率は前年より0.4ポイント・ダウンしての40.7%、2年連続の低下となった(図1)。作図して意外だったのは、ウッドショックの影響が可視できないという事。かのビッグチャンスは、輸入用材から国産用材への転換には(全体データで見てとれるほどには)繋がらなかったことが分かる。1004a

次に、項目別に2022年次データを前年と比較し、増減比率をまとめた(図2)。これは想像していた通り、2022年次も「輸入燃料材」が+32.1%と際立つ。次いで「国産燃料材」の+9.8%。総供給量増の大半がこのふたつで賄われている。1004b

木質バイオマス発電所新設のニュースが雨上がりのキノコのように目に付くこの数年、低価格材の割合が増すと山の単価は下落する。「燃料材(ましてや輸入燃料材)」単独での増加は産業構造や市場にひずみを招く結果となる。これはFITの弊害だ。ときの為政者にこの絵は見えてなかったのか、もしくは見えててやったのか…。

理想は、内外産を問わず国内市場での木材利用量が増し、それを牽引するのは高価格な「(国産)用材」需要で、その結果、副産物・低価格材の有効活用として「(国産)燃料材」供給量も増す、という流れだろう。

その想いで「国産用材率」なる指標を独自に取り上げる(図3)。2022年次の総供給量に対する「国産用材率」は28.4%、前年比で1.0ポイントの低下。林野庁は全体の「自給率」の増加をアピールするが、「国産用材率」は2013年次から変わらず28~30%の範囲内に留まっている。

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筆者の願望で言うと、図3で示した三つの値、(1)「国産用材」の供給量も、(2)「国産用材以外(外材含む)」の供給量も、そして (3)「国産用材率」も、すべて上昇する市場の姿、活性化が見たい。木材という素材が広く多く使われ、適材適所で外材も活躍する。国内の森林の年間成長に応じた収穫量と市場の需給バランスさえ取れていれば、相対的な「自給率」など下がっても良いではないか、と思うのだが。


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