酪農大国ニュージーランドにおける小規模森林所有者のひとつの典型的なかたちとして、酪農・畜産と林業との複合経営があげられます。
数十(または数百)ヘクタールの土地で、酪農・畜産業と林業を営む。前者は毎年のキャッシュフローとして、後者は約30年周期での投資目的として、という捉えかたが基本です。また、土地有効利用の観点からも、酪農・畜産業に適さない土地や、急傾斜地や流域周辺の土砂崩防止や水源涵養が必要な場所に植林するという考え方も一般的です。
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左手にラジアータ・パインの成木、右手に羊の群れ、奥の尾根伝いには風力発電区域が広がる。ある意味、非常にニュージーランド的な風景。
<Photo 2>
約20年生のラジアータ・パイン林の中を、羊たちが自由に行き来する。いわゆるアグロ・フォレストリー。
<Photo 3>
働き者の牧羊犬。背景には、一回目の枝打ちを終えたラジアータ・パインの若木。
ニュージーランドの林産業にとって、小規模林業家が担う役割は小さくありません。筆者はこの1-2年で多くのそういった森林所有者を訪れ、現状を知る機会に恵まれました。引き続き、これからもその一部を紹介していけたらと思います。
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