2015年度のニュージーランド原木伐採量中、55%が丸太として輸出され、45%が国内製造業で加工されました。国内の木材製品製造業の生産量は、近年どのように推移しているでしょうか。
グラフはこの5年間の、ニュージーランド国内の主要木材製品生産量の変化を示しています(これ以外のところでは、小径木からの杭丸太生産やパルプ材からのチップ生産などがあります。)
まず品目別に並べると、やはり製材品の生産量が多いことや、ファイバーボードの割合が他のパネル製品に比べて大きいことなどが、ニュージーランドの特徴として挙げられます。そして全体として目を引くのは、この5年間の増減がグラフ内すべての品目で+/-1%内で収まっていること、つまり目立った増減がないことです。同時期に原木伐採量が大きく増えていることを考えると、これは「安定」というより「停滞」です。この間、大型の新規投資案件が少なかったことや、個々の増産は広い意味での業界再編の範囲内であったことがわかります。
ニュージーランドは人口が増えているとはいえ小国、国内市場の規模には限りがあります。丸太輸出市場の維持も大切ですが、国内で加工した製品の輸出市場拡大も重要課題です。そしてこのふたつの両立は、競合他国の例を見ても、国・業界としての成長戦略が無いと難しいところです。
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