ニュージーランドでは森林所有者を対象に、原木の伐採収穫量に対する一律の課税制度があります。
プールされた税のほとんどは、産業全体に還元されるような各種プログラムの運営費として振り分けられます。下図は、実際にどのようなプログラムに使われているかをカテゴリー別にまとめたものです。
筆頭はやはり、いわゆるR&D分野、様々な調査・研究費をまとめると全体の約6割を占めます。生物学的な研究や新テクノロジーの開発なども含まれます。第2位の検疫関係はある意味特徴的ですが、小さな島国ニュージーランドで動植物が長きにわたり外来種と交わることがなかった背景、この国の林業がラジアータ・パインという単一樹種でほぼ成り立っている事実などが反映されています。
第3位の販売促進の割合は、個人的にはもう少し高くても良いような気がしますが、各企業努力ありきの部分と公益のために一律で集められた資金の活用法、というところで事情もあるのでしょう。第4位の安全面・人材面については、前者は言わずもがな、後者も将来的な産業の維持・発展のために非常に重要な分野だと思います。
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