[045] NZの製材需給

ニュージーランドの針葉樹製材需給(生産量・輸出入量・国内消費量)の推移について見てみます。045_lum_S&D上の図でわかるように、統計数値上では、ニュージーランドの製材業は成熟産業様相を呈しています。この15年ほどの間、製材生産量は平均して年間おおよそ4百万㎥、うち約半数が輸出されています。針葉樹製材に関してはほぼ完全自給型で、輸入ものは、例えばウェスタン・レッド・シーダーのデッキ材など、ニッチな適材適所製品に限られます。

「ニュージーランドの林業は成長産業ではないのか、伐採量は増え続けているのでは?」。ときおり頂く質問なのですが、端的に言うと伐採量の増加分は丸太として輸出されているのが現状、つまり他国の木材製品製造業向けの原材料となっているわけです。ですから、ニュージーランドで製材し輸出した製品が、他国で生産されたニュージーランド産ラジアータ松商品と競合するケースもあります。

ここに、林業先進国であると同時に、人口約450万人市場として国内消費に限りがある小国ニュージーランドの林産業の、産業・市場戦略におけるチャレンジがあります。


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