前回の中国丸太輸入量に続き、今回はその製材編です。この10年の推移をまとめました。
2016年の中国製材輸入量は32百万㎥、前年比+19%で過去最高値、うち針葉樹製材が3分の2を占めます。2006~2016年の平均増加率が18%/年、2011~2016年で切り取ると8%/年、この5年も堅調な増加傾向です。丸太と同様にここでも、かつては「ロシア材と広葉樹」だった供給先は、北米・ヨーロッパ(特に北欧)・チリやニュージーランド(ラジアータ・パイン)と多様化が進みました。また広葉樹製材も、相対的なシェアこそ落としたものの、数量は伸びています。
供給の多様化が進んだとはいえ、ここではロシアが現在も第一位、中国針葉樹製材輸入の過半数はロシアからのものです。2016年実績12百万㎥(針葉樹のみ)は前年比+38%。内陸部での一次製材工程が、国境を越えて中国からロシアへシフトしています。ニュージーランドにとっての中国は、丸太・製材輸出業共に最大の貿易相手国ですが、中国の製材輸入から見たニュージーランドのシェアは、まだ小さいものであることも分かります。
日本の2016年の製材輸出量は87千㎥。うち中国向けは46千㎥で、これは中国製材輸入量の0.1~0.2%にあたります。「伸びしろ」に不足はないでしょう。
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