丸太・一次加工品・二次加工品などを含む、ニュージーランドの広義での木製品輸出額の推移について、内訳とともにまとめました。
ニュージーランドが輸出しているのは丸太だけでなく、製品の輸出にも力を入れています。付加価値をつけることによって差別化を図る、技術やノウハウに秀でたメーカーも数多く存在します。上図が示すように、ニュージーランドの木製品輸出額の内訳も、2000年代後半まではある種の均衡が保たれていました。その後の展開を見ても、各木材製品群ともに一定の数量実績を維持しています。つまり、ニュージーランドは現在も十分に、(丸太のみならず)各種木材製品の輸出国です。製品輸出額の総和は、現在も丸太輸出額に匹敵します。必ずしも、丸太輸出を戦略的に優先させてきたわけでもありません。
そもそもラジアータパインは、非常に製品として汎用性の高い、加工性に優れた樹種です。植林からの安定供給能力を林産業の強みの源として、上図でも、幅広い分野で各製品群が海外市場へ出荷されている様が示されています。官・民による先進的な研究開発や、一般にアントレプレナーシップに富んだ国民性も知られています。
しかしながらやはり、この10年ほどの丸太輸出「だけ」の伸びは目につきます。つまり、増えた伐採量の分だけ丸太輸出に回っているわけです。最大の要因はなんといっても、環太平洋地域内の素材需給バランスの大きな変化と、その中での中国の丸太輸入激増です。その他に国内の課題として、産業構造の変化やコストの仕組みが真っ先に思いつきます(詳細は別稿にて)。
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