[090] NZにおける森林認証

オリンピック・パラリンピックを機に日本でも認証木材が注目されている今、ニュージーランドでの森林認証制度の進行状況について。

いくつかのローカル型森林認証制度の歴史をここでは端折ると、ニュージーランドの現状も国際的な流れに対して例外では無く、FSCとPEFCが両雄となっている。FSCは国際認証制度の草分けとして、1990年代後半からニュージーランドでも、主に大規模森林所有者を対象に一気に市民権を得た。それに対し、PEFCのこの国での歴史は2015年からとまだ浅いが、以降の積極的なキャンペーンで着実に浸透してきている。

現在、ニュージーランドの人工林面積における「FSC認証林」と「PEFC認証林」の割合は、それぞれにおおよそ70%と20%。ニュージーランド林業=人工林施業であり、この1~2年でPEFC認証を受けた林区はほぼ全てFSC取得済みだと思われるので、ニュージーランド林産業を支える生産林の約7割が、FSCかPEFC(またはその両方)の認証を受けていることになる。

ところで、FSCとPEFCの全世界での地域別認証面積を比較してみた(下図、2017年現在)。それぞれに、総面積が約2憶ヘクタールと3憶ヘクタール。重複する部分を差し引くと、FSCかPEFCの認証を受けている森林は、実質4憶~4.5憶ヘクタールであろう。となると、世界の森林面積の1割程度か。地域別に見ると、グローバル型認証制度とはいえ、実際にはその市場の80~90%がヨーロッパおよび北米であることが分かる。

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