[101] スギ in NZ

ニュージーランドにおいてスギ(Cryptomeria japonica)が最も活躍している場は、木材生産用途ではなく、境界林・防風林としてだと思う。

SUGI shelter belt (800x600)ニュージーランドの近代林業史は約100年前、それまで土着種の伐採(乱伐)一辺倒であった林業からの脱却を図っての外来針葉樹種選びから始まった。結果的にその解は今のところラジアータパインだったわけだが、その際には日本のスギやヒノキも試されたので、今でもそれらを見本林や一部の小規模林業家の山などで目にすることがある。

さてスギに関してはその後、主に選木された親木からの挿し木育苗で、境界林・防風林用の樹種の選択肢のひとつとして使われるようになった。第一には密に生える枝ぶりや通直に伸びるその樹形、そして病虫害や風雨に比較的強いとされたことが評価基準だったようだ。特に、傍らにはびこらず上へ進み上る木(「進木(ススギ)by 本居宣長)として、また品質が整った挿し木からということで成長後の樹高を均一に整えるのが容易なことが、広大なファームや果樹園を仕切る境界オブジェとしての見た目の美しさともなり評価されている。


季節がら、写真をもう一枚。ポフツカワ(Metrosideros excelsa)の花。この時期に合わせて、雄しべが放射状にブラシのように広がる真っ赤な花を咲かせることから、別名「ニュージーランド・クリスマスツリー」。pohutukawa2 (600x800)


©NZmokuzai.com all rights reserved. 文・図表・写真の無断転載を禁じます

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です