日本の木質ペレット輸入量が上昇中だ。
日本で「再生可能エネルギー特別措置法(固定価格買い取り制度=FIT)」が施行されたのが2012年7月、その後ペレットの輸入量は7万トン(2012)から106万トン(2018)へと飛躍的に伸びた。現状はカナダ産とベトナム産が高いシェアを持つ。その間、日本国内のペレット生産施設数は109(2012)から147(2017)に増えたものの、国内生産量は9万8千トン(2012)から12万7千トン(2017)と大きな伸びはない。さらには、日本経済新聞2018年12月11日付には「政府の固定価格買い取り制度(FIT)の認定を受けた案件の8割以上が稼働していない」という衝撃的な記事も。
私は2011から2013年にかけて、海外ペレットメーカーからの依頼で複数の日本ペレット市場調査案件に携わった。FITの及ぼす影響に対して仮説を立て、市場規模を予測し、固定価格から逆算したコスト分析を行い、商機ありとした。手前味噌で言っているのではない。当時日本国内で行ったヒアリングでも「バイオマス工場の設立件数は(助成金が出るから)増えるだろうが、国内林業の活性化にはつながらず、燃料の多くは輸入に頼ることになるだろう」と危惧する声は上がっていた。そもそも燃料材だけのために山は伐れない。
為政者にこのシナリオは見えていたのだろうか。
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