2019年貿易統計で、ニュージーランドの針葉樹丸太輸出量は前年比微増となった。
2年連続で総量が2000万㎥を越えるとともに、中国への輸出量がさらに増えた。中国向けのシェアがついに80%の大台に到達、事実上の「ニュージーランド丸太輸出増加」＝「中国向け増加」という図式が定着して早10年以上になる。インド向けはやや量を伸ばし、韓国向けおよび日本向けは減少した。
輸出量2000万㎥を365日で割ると、一日約5.5万トン（専用船で2杯弱）がニュージーランドの輸出港から出荷されていることになる。また、国内年間伐採量の6割が丸太輸出に回っているとして、その8割が中国向けであるから、ニュージーランドで今伐採されている木の2本に1本が船に載って中国に旅立つ計算になる。どちらも数字に裏づけされた現実だが、業界に携わる者としても（いや、だからこそ?）、想像するのがかなりむつかしいレベルだ。
引き続き堅調な（中国向け）丸太輸出の裏で、もちろん課題はある。国内加工・付加価値創出促進の遅れ、一国・一製品市場依存の危険性などがそれだ。しかしながら、今のニュージーランド林業界の産業構造を踏まえると、この傾向が近未来で大きく揺さぶられることを想像するのはさらにむつかしい。
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