ニュージーランドは3月25日深夜より、今も四週間想定のロックダウンの最中だが、ここに来て解除後の政府プランや青写真も出始めた。
もっとも厳しい【警戒レベル4】、いわゆるロックダウンに突入して三週間弱が経ち、いまだ予断を許さぬものの、新規感染者数が減少傾向に転ずる(上図。4月13日現在)など、数字上も明らかな成果が見えている。当初の予定通り、このロックダウンは四週間で終わるだろう(後日、政府は4月27日深夜に解除と発表)。今現在、林業・木材産業は『非』必須ビジネスのため原則として停止状態だが、ロックダウン明け(警戒レベルひとつ引き下げ後)はどうなるのか。
次の【警戒レベル3】の下では、ウィルスの感染再拡大に対する備えが整っていると見なされたビジネスから操業が許されていくと思われる。備えとは、いわゆる「三つの密」を防げる職場環境で、定期的な除菌等を行える体制にある、ということを証明できること。すでに政府はロックダウン解除から次段階への移行が速やかに進められるよう、遵守すべきガイドラインを公表して各事業主にその準備を促している。
林業・木材産業に関して言えば、この10年ほどで「無人化(高性能機械化・オートメーション化・IoT化など)」を進めてきたことが、ロックダウン明けの早期再スタートに向けて役に立つはずだ。伐採現場は換気抜群の環境だし、製材工場にしても昨今は機械近くで人影をほとんど見ない。外貨も稼げる国の主要産業のひとつだから、政府もここからのコロナ経済対策の枠組みの中、林業・木材産業の収益力には期待しているはず。再開自体に大きなハードルは無いと見る。
懸念は輸出市場とエンドユーザーへ届くまでの物流。新型コロナの影響は楽観的に見ても向こう数ヶ月は続くと予測される中で、海外マーケットの需要や海運はじめ物流周りの完全復活にはまだまだ時間がかかるだろう。先ずは休業明けの国内木材製造業をしっかりとサポートしつつ、丸太輸出も徐々に元の水準・ペースまで戻していくことがさしあたって(年内)の目標か。
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