タイトルは今風に。中身はまわりくどい宣伝です。
“Know something of everything and everything of something”。昔から耳に残っていた言葉だが、検索してみると、イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの演説の一節とのこと。訳せば『全てについて何かを知り、何かについて全てを知る』か。学ぶにあたり、何かひとつを究めるとともに、広い教養を身につける大切さも説いたものらしい。確かに、好きなことをとことん突き詰めた人や、やたら何にでも詳しい大人はかっこいい。
生態学に、動物でも樹木でも “Specialist vs. Generalist” という概念がある。限られた生育環境でしか生きられないのが前者で、環境条件への適応能力が高いのが後者。ユーカリばかり食べるコアラは前者で、ストリートスマートなタヌキは後者。福岡ソフトバンク・ホークスの二塁手候補で言うと、今のところ周東が前者で明石は後者、牧原は中間。そのバランスで、先発争いは牧原が一歩リードか。
大学で林学を専攻し、職歴もここまで林業関係中心の筆者の生業を例に取ると、縦軸(専門分野)は一貫して「林業・木材産業」だが、30代で経営学を学んだことが横軸(汎用性)になっている。独立してからは、様々な業界からもお誘い頂けるようになった。ありがたいことに、ニュージーランドでの長年の経験や人脈が、もうひとつの軸(差別化)になっている。
“Know something of everything and everything of something”。超訳すると『縦軸と横軸を持つ』ことかもしれない。いや、軸は幾つあったっていい。当コラムをお読み頂いている皆さま、業界や分野を問わず、ビジネスのコラボレーションでも遊びの相談でも、まずはお気軽にお声がけください。一緒に甘い蜜を探しに行きましょう。
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