[151] コンサルがやらないこと

というか、極力やりたがらないこと。

コンサルティング・ファーム勤務時代感じていたことに、コンサルタントは自らの予測をめったに振り返って検証しないというのがある。そこで、2020年のパンデミック最中におけるニュージーランド原木伐採量・丸太輸出量・製材生産量(青棒)を、同年第2四半期直後の当社第3・第4四半期予測(赤折線)と比較しながらまとめてみる。

原木伐採量
2020年第3・4四半期の実績は前年同期比で+2%と+9%。コロナ初波~ロックダウンからのリバウンドが当社予測よりも早かったばかりか、あっさりと前年同期越えまでとは驚いた。0415a

丸太輸出量
2020年第3・4四半期の実績は前年同期比で+4%と+17%。こちらも当社予測が大きく上方修正されたかたち。これはひとえに、中国からの需要が急速に復活したことによる。0415b

製材生産量
2020年第3・4四半期の実績は前年同期比で+3%と+1%。ロックダウンで滞った受注分も含め第3四半期で一気に増産。クリスマス休暇に入る第4四半期で減るのは例年通り。0415c

総評
コロナの影響で3~5月に一気に落ち込んだ業界活動は、第3四半期中にはその遅れをハイペースで取り戻し、なんと2020年後半では上記三つの指標すべてで前年同期を上回った。数か月前まではまだ悲観論も多かった中で、「減産は長引かず、意外とすんなり回復する」とした当社予測は正しかったと言いたいが、その度合いは想定以上であったと認めざるを得ない。そして、もし大きく外していたならば、もちろんこんな検証などするわけがない。


© 2015 NZmokuzai.com 文・図表・写真等の無断複製禁止

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です