第三次「ウッドショック」らしい。外材のあけた穴が国産材で埋められない現象も起きていると聞く。
日本市場で外材が一気に使われるようになったのは、よく言われる価格競争だけが理由ではなく、あまり触れられないが品質の問題もある。国産材よりも強度や寸法精度が出る樹種(物性)と、進んだ人工乾燥やエンジニアードウッド化の技術(イノベーション)で、海外からの方が適材適所でより高品質の商品を市場に提供できるようになったからだ。
特に住宅用の建築資材において、途中からは日本側の品質に対する要求も非常に厳しくなり、JAS・JISやユーザー独自規格などで(時に理不尽に)外材に対する参入障壁がどんどん高くなっていった。しかしその都度、海外メーカーはそれでも魅力ある日本市場への安定供給を目指して努力を重ねた。その結果、外材はさらに日本市場での競争力を増すと同時に、供給能力や物流力も強化していった。ユーザーにとってますます使い勝手のいい商品となっていった外材。
皮肉なことに「ウッドショック」で外からの供給量が減った今、外材に課してきたそれらのハードルが、日本の林業・木材産業にブーメランのように跳ね返ってきている。外材が克服し築いた品質基準や物流体制に、はたして国産材は太刀打ち出来るのだろうか(もちろん補助金・助成金の類を使わずに、だ)。現実問題として、ここから外材の代替として国産材利用を促進するためには、その限界も認め、外材が上げたバーを国産材仕様に下げていく(ことをエンドユーザーにも理解してもらう)過程が必要だと思う。
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