最近しっくりきてないこと。
「カーボン・ゼロ」など、どこか上の方で、環境・気候変動対策として志の高い目標値が設定される。
CO2を排出する企業は、カーボンクレジットの購入や森林事業への投資を通じ、お金で実際の排出量を相殺できる。
それらに特化した投機やコンサルテーションなど、新しい環境ビジネスが生まれ、潤う。
国や地域によっては補助金や助成金も出る。
かくして植林事業(生産林型の単純一斉林であることが多い)が、実体経済の木材需要に対し必要な素材生産量以上のペースで進む。
「植えよ増やせよ」は潜在的供給過多 、価値の下落。
森林所有者には伐らないという選択肢が生まれる(カーボンクレジットによる収入が主目的)。
「伐らない」は局地的な供給不足のリスク。
CO2排出に関する計量評価は、いまだ不確定要素がとても多いと聞く。
カーボンクレジット相場はまだ黎明期で、当分のあいだ実体は定まらない。
確実なのは、カーボンという形の見えない金融商品が誕生し、森林業が新しい時代に入ったということ。
猫には受難の時期かもしれない。
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