[017] NZの土地利用と天然林

ニュージーランドの国土面積は2,700万ヘクタール、天然林面積はその約3割にあたります。かつての乱伐を経て、現在はほぼ全面的に厳しい規制・管理下で保護されています。

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1000年以上前の先住民(マオリ族)入植当時はニュージーランド国土の80%が森林であったと言われていますが、1840年代に欧州からの移民が本格化した頃には、その割合は50%程度にまで低下しました。その後、特に1880-1930年の農産業の発展にともない耕地化はさらに進行。森林率は30%近くまで減少し、危機感を募らせた政府は天然林保護への法規制を開始しました。

現在、ニュージーランドの天然林面積は780万ヘクタール(近年の天然更新や新規造林面積を含む)。うち約8割が国公林で主にナショナル・パークやフォレスト・パークなどといった形で保護管理され、残り2割の私有林もそのほとんどが維持林に指定されています。一部許可制での生産林利用もありますが、その場合も伐採可能量は「選伐で、年間成長量の80%まで」というガイドラインがあります。

このような保護政策の結果、今日、天然林からの原木生産量は全体の1%未満です。つまりニュージーランドの木材生産のほぼ全量が、国土の6%にあたる人工林からの素材供給の上に成り立っているわけです。


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