[048] 日本の丸太輸出 (1)

日本の林業・林産業に関わっている方々には周知のところかと思われますが、自分自身への覚え書きとしても・・・日本の素材(丸太)需給の推移、特に丸太輸出についてです。

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日本の丸太消費量は、住宅着工数の落ち込みに代表される国内市場縮小の流れから2000年代に大きく減少し、近年も停滞気味です。その中にあって、丸太の輸入数量が激減、反対に国内の素材生産量は増加傾向にあります(上図)。

そして、最近よく話題となる丸太輸出。相対的にはまだまだ微量ですが、着実な伸びがグラフ上にも現れ始めてきています。2015年実績で総数が前年比33%アップの69万㎥、うちスギが70%近く、ヒノキが約17%となっています。相手国別では中国68%、韓国21%、台湾11%とこの三カ国にほぼ全量出荷されています。

ここから先は主観・私論が交ざりますが、長くニュージーランド丸太・製材品のアジア輸出業務や市場解析・戦略面に携わってきた者として、ニュージーランドの丸太輸出産業と日本のその現況との間に、いくつか面白い類似点を見受けます。それは例えば、 (1) 「増える蓄積」+「限られた国内市場の伸びしろ」=「輸出努力は今後も不可欠」という図式、 (2) 輸出相手国の比率構成、 (3) 主要市場でのターゲット・セグメント、(4) 国内製造業との共存、などです。

<続く>


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