[047] 林業・林産業の雇用数

主要成長産業であるニュージーランドの林業・林産業ですが、業種別雇用数の推移の観点からは、必ずしもそうとは言い切れません。

047 employment

上図のように、2015年現在での主要林業・林産業関連業種での雇用数は32,000人強。10年前の2005年と比べて72%に落ち込んでいます。カテゴリー大別で見ると、関連サービス業を含む林業全般で21%、製材関連で47%、紙・パルプ製造で15%、家具製造で17%となっています。

ここでもやはり、過去にこのコラムでも何度か指摘している「丸太輸出への偏り・製造業の停滞」が確認出来ます。伐採量が増えていることはもちろんプラス材料ですが、大型機械化など施業の効率化が進んだ結果、「林業・伐採・関連サービス業」での大きな雇用増には結びついていません。

製造業にいたっては、おおむね減少傾向です。特にこの10年で見ると、「製材業」「家具製造業」での雇用数の減少が目立ちます。これらもオートメーション化が着々と進んだとはいえ、紙・パルプ製造などと比較すると個人の技術も求められる労働集約型の業種。林業・林産業での雇用増は政府の求めるところでもありますから、やはりいかに原材料としての木材に国内で付加価値を高めていくか(そしてどう雇用に結びつけるか)は、業界の近未来に向けて重要な課題です。


©NZmokuzai.com all rights reserved.
文・図表・写真の無断転載を禁じます