[066] 長持ちする住宅とは (1)

「日本の家の寿命は30年、欧米は100年。なぜ?」などとよく言われますが、「長持ちする住宅」とはなんでしょうか。

ニュージーランドの住宅の寿命も、一般に「90~100年」と言われています。100年という刻を優に超えた家でも、そのノスタルジックなスタイルには根強い人気があり、また当時の良材が構造や内装ににしっかりと使われていることもあり、新築以上の値段で市場に多く流通しています。

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そもそも、所有者・居住者はなぜ家を長持ちさせたいのか。「末長く快適に過ごしたい」といった感情ももちろんですが、「家とは資産であり、資産価値を落とさないため」とも言い換えられるのではないでしょうか。実際、欧米の多くの国では中古住宅市場が確立しており、築後数十年を経た物件の価値が、普通にメンテナンスされていさえすれば、値崩れせず、ほぼ横ばいで推移するという状況も珍しくありません(もちろん、適正な需要があった上での話)。ですから、リノベーションも「より快適な居住空間つくり」であるとともに、「付加価値をつけて資産価値を維持・向上」の手段とも考えられます。また上記のように、「当時のスタイル」そのものも、十分に付加価値となり得るわけです。

住宅を長持ちさせるためには、まずは長持ちする部材を使って、長持ちする工法で、長持ちする(飽きの来ない)デザインの家を建てること。ニュージーランドの建築基準法にも、木材に求められる構造性能(強度)や耐久性能(防腐)などが細かく規定されています。このテーマはシリーズ化して、「長持ちする住宅」を建て続けるニュージーランドの建築の、その概念や基準なども見ていきます。


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