[070] NZの丸太輸出 2016

ニュージーランド林業の核のひとつである針葉樹丸太輸出。2016年の数値と、この10年間の推移を見てみます。

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2016年の総量は15.9百万㎥、前年比+8.6%ではありますが、2013・2014年のピーク値には至りませんでした。とはいえ、10年前に比べて約3倍というのは特筆に価します。主要相手国別のシェアで見ると、中国が69%で突出、以下、韓国 > インド > 日本と続き、2016年もこの4カ国で輸出量の99%を占めています。

これまでもコラムで幾度か触れてきましたが、時系列で見ると、やはりまず目に付くのは中国向けの増加です。シェアの推移で見ても、18% (2006)、62% (2011)、69% (2016) と大きく伸ばし、今や2位以下の追随を許さない圧倒的な存在感です。そして上図から中国を差し引いてみると、中国向け以外への輸出量の和に大きな変動はありません。ニュージーランドの丸太輸出産業が他のマーケットを維持しつつ、中国という大きな市場機会を積極的に取り込んできたことがわかります。

総輸出量(とそれを左右する中国向けの量)ですが、この4年のほぼ横ばい・微減の数値を見ても、またニュージーランドの原木供給能力などと照らすに、ここから再び右肩上がりの成長曲線とはなりません。中国市場がこれからも軸であることは当分変わりませんが、新規市場開拓や国内製造業拡大も望まれるところです。


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