[103] NZの丸太輸出 2017

2017年のニュージーランド丸太輸出は、量・額ともに最高値を記録した。

針葉樹丸太輸出量は1880万㎥(速報値)、前年比18%アップ。下図で見ると明らかだが、実質的には中国需要の回復・成長がそのまま増加量である。値段も引き続き好調だ。非構造分野での型枠用や仮設建築用材など、建設・産業資材としての伸びが大きい。103

ニュージーランドの丸太輸出量全体に占める中国向けのシェアはついに75%となった。こちらも過去最高値。これはつまり、丸太という素材輸出の一国依存が懸念され続けてなお、その度合いがさらに進んだということだ。市場原理に基づく山林所有者・伐採運材業者・輸出会社らの経済活動であるからして、伐り時に高値で売れるのなら当然の選択という見方は至極真っ当ではあるが、俯瞰した時にプランBが見当たらないのが気になる。ニュージーランド政府は昨年「十億本植林プロジェクト」なる壮大な計画を発表したが、そんなに植えて大丈夫なのか(これはまた近日中、別のコラムにて)。

なお、前回のコラムで「中国で日本のスギ・ヒノキ・カラマツが構造材として使えるようになる。」「『木造軸組工法』も認められた。」の記事について書いたが、そういった働きかけを行っているのは、もちろん日本だけではない。ニュージーランド規格に準じて機械等級区分されたラジアータパイン構造材の使用も、今年から中国で認可される。中国での木造建築・構造用材市場が今後どれだけ伸びるかはまだ今後視ていく必要があるが、この分野でも日本国産材とラジアータパインが競合関係となる。


©NZmokuzai.com all rights reserved. 文・図表・写真の無断転載を禁じます

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です