[131] 中国の丸太輸入2018

中国の針葉樹丸太輸入量が、引き続き右肩上がりの成長を見せている。

輸入総量、そしてニュージーランドからの入荷量、またニュージーランドのマーケットシェアも、過去最高値となった。ニュージーランドは当分野での第一貿易相手国の地位を2013年以降、シェアを順当に拡大しつつ維持している。中国のニュージーランド(ラジアータパイン)への依存度が増していると言い換えることもできる(同じラジアータパイン産出国であるオーストラリアの数量の伸びも無視できない)。日本もグラフで可視化できるようになってきた。スギの物性上、ラジアータとの競合も実際に起こっている。

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つくづく、専門家(市場解析者)泣かせの市場でもある。マーケットレポートには主要市場の需給予測が付き物だが、この限りなく一直線に近い成長曲線を20年前、もしくは10年前にでも描けた人など、自分を含め、まずいなかった。その間には、中国経済成長の鈍化や製品輸入へのシフトを指摘する声も数多くあったにもかかわらず、2000年から2018年までの年間平均成長率が11%とは、そうとう勇気のある人でないと言い切れまい。

さすがに今年(2019年)の数字には対米貿易摩擦によるマイナス影響が現れるだろうが、潜在的国内インフラ需要とそれに伴う木材の使用量を考えれば、中期的にはまだ伸びしろは十分あるだろう。圧倒的な存在感を放つ中国が環太平洋地域における木材需給舞台の主役の座から降りる幕は、今のところ全く見えてこない。


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