[135] コロナウィルスの影響

ニュージーランドは3月25日に国家非常事態を宣言し、同日深夜、四週間(予定)のロックダウンに入った。

つい二週間ほど前まで、新型コロナウィルス(COVID-19)のニュージーランド林業へ与える影響については、中国側の工場閉鎖や物流停滞のため、ニュージーランドからの伐採・出荷が出来ずにいる、その結果として伐採業者たちも休業中だ、といった文脈がほとんどだった。だかここにきて、中国のほうでようやく在庫が動き始めたというニュースが増える一方、今度はニュージーランドから材が出そうにも出せなくなった。

ニュージーランド林業・木材産業の生産製造現場に関しては、今のところ、国内の国家体制維持や国民生活に最低限必要なもの(たとえば一部紙製品や燃料)の製造業と、その運搬等に必要なサービス業のみ、登録制で営業が許可されている。現状、その他の工場や伐採関係などは全て止まっている。未曾有の事態ゆえ、なにが「不可欠」な事業かはケースバイケースなところもあり、林業・木材産業関連団体(だけでなくその他の産業も)はその「不可欠」度を政府に訴えているが、当面は政府も、最優先すべきは国民の命を守ること、すなわちウィルスの封じ込めであることを前面に押し出し、各事業体への操業許可出しは最低限に抑えている。

《なお弊社は、ロックダウン中は直接現地に赴いての商談や踏査・検品など出来ないことを除き、ホームオフィスより通常通りに活動しています。各提携先や調査先とも、先方がオフィスか在宅勤務かの違いだけで、原則として平時と変わることなく連絡を取り合っています。》

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以下、COVID-19関連、ニュージーランドのこの一ヶ月。日本とは人口や経済規模が大きく違うが、このスピード感は特記に値すると思う。

2月28日、最初の感染者が確認される。

3月14日、感染者6名。全ての入国者に2週間の隔離を要請。

3月19日、感染者28名。事実上の国境封鎖(市民や永住者の帰国を除く)。

3月21日、感染者52名、うち2例は海外渡航絡みではないとする。政府は四段階の警戒基準を作成し、警戒レベル【2】とする。

3月23日、感染者102名。警戒レベル【3】とするとともに、48時間以内に全土で警戒レベル【4】(いわゆるロックダウン)に引き上げることへの準備を促す。

3月24日、感染者155名。うち4例を市中感染とみなす。

3月25日、感染者205名。警戒レベル【4】。国家非常事態を宣言し、23:59より全土でロックダウン発動。

3月27日正午現在、感染者368名、うち37名は回復、8名は入院中、その他は自宅等で隔離中。死者ゼロ。

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