[023] 森林評価額査定

森林の評価額を査定する業務(フォレスト・ヴァリュエーション)とは何か、簡潔にまとめたいと思います。

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森林評価額査定は、森林の所有者、潜在的買い手、あるいは調査会社や金融機関などが専門家(コンサルタント)を雇って行います。目的としては、適切な売値・買値の設定や会計報告用が一般的です。

通常のビジネスや中古住宅の売買などにおいても評価額査定やデュー・デリジェンスは出てきますが、森林査定の最大の特殊性はそのスパンの長さかと思います。成長が早いといわれるラジアータ・パインですら約30年周期、今植えたとしても主伐の収益は30年後です。さらに通常は段階的な樹齢の林区が存在し、また施業によって成長の仕方も様々です。

もうひとつの大きな特徴として、製品の多様性が挙げられます。一本の木から、例えばクリア材・建築用材・パルプ用材などが採れ、その市場も多岐にわたります。つまり、どういった等級の材がいつどの程度の割合で収穫され、それぞれの市場・相場はその時点でどうなっているのかを予測する必要があります。また、間伐材などの副次生産物もあります。

以上を踏まえた上で森林評価額査定とは、売値・買値の設定や会計報告などを目的とし、長期スパンでの「収穫予測」と「価格予測」の積に適正な「割引率」をあたえた「現在価値」を算出する作業だと言えます。


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