国際的な温室効果ガス排出削減に向けた枠組みの中で、ニュージーランドの立ち居地や林業経営に影響を与える排出権取引市場の動向について、調べているところです。
米国と中国が「パリ協定」参加を先日表明し、インドも来月での批准を発表したばかりですが、ここまでのニュージーランド政府の温室効果ガス排出に関する目標値の発表の変遷を、時系列に沿って整理してみました。
【2009年9月】国際的な合意形成がなされた場合との条件付きで、温室効果ガス排出のターゲットを「2020年までに1990年比で10~20%削減」と発表。
【2011年3月】官報にて、温室効果ガス排出の長期ターゲットを「2050年までに1990年比で50%削減」と掲載。
【2013年8月】無条件に「2020年までに1990年比で5%削減」と設定。2013年から2020年の期間での、京都議定書に基づく二期目の削減目標には批准しないこと選択。
【2015年7月】「パリ協定」に向け、2020年以降の温室効果ガス排出のターゲットを「2030年までに2005年比で30%削減」と発表。
二ュージーランドの二酸化炭素排出の絶対量は世界的には微々たるものでしょう。しかし、吸収源としての森林という土地利用活動(吸収源活動)に対する国策は、カーボン・クレジットにかたちを変え、森林所有者の収支や資産価値に直接関わってきます。それはまた次に。
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