ニュージーランドと日本の、丸太の需給バランスを比較して見ました。
大掴みに言って、ニュージーランドの原木生産量は約3千万㎥と日本の約1.5倍、その半数量ずつが丸太輸出と国内消費にまわっているという形態です。対して日本は、原木生産量の約2千万㎥に丸太輸入量が3~4百万㎥、輸出はまだ微量ですから、そのほとんどが国内で消費されています。国内の木材製造業は、まだまだ日本の方が圧倒的に大きいですね。
さて今回のコラムの裏本題、時計を15年ほど巻き戻します。西暦2000年前後、コンサルタントを交え、業界・政府を挙げての長期ヴィジョン・戦略関連のプロジェクトが多かった時期です。その頃、2016年現在の状況に対して、彼らが持っていたイメージはどんなものだったでしょうか。
上図に、2000年前後に抱いていた約15年後のイメージを「NZ仮説」と付け足しました。伐採量の伸びは概ね今のレベルだったと思います。ただし、うち丸太輸出量は25~30%程度で頭打ち、残りは国内で付加価値を高める算段でした。この通りであれば、ニュージーランドの木材製造業は、今頃は日本のそれと同規模になっていたという皮算用になります。
ほんの15年ほどの話ですが、当時のヴィジョンと今日の現実は、かなり違ったものとなっています。
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