[088] ラジアータパインの伐期

一般に「30年周期」と言われるニュージーランドのラジアータパイン人工林施業。それを仮設として、近年の平均的な伐期やそのばらつきについて見てみる。

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2016年度における主伐時の樹齢別伐採面積を、おおまかではあるが手持ちのデータより推定してみた(上図)。ご覧のように、確かに30年生にピークがあり、25~29年生も比較的多い。33年生を過ぎると、伐採面積は一気に少なくなる。グラフ上に落とし込んだ数値(収穫時21~40年生と推定されるデータ)のみで面積加重平均を出すと、28.6年となる。別の資料によると、過去10年間の平均伐期は28.4年。以上の結果から、短伐期と形容されるニュージーランドのラジアータパイン人工林施業は、やはりほぼ「30年周期」が頻出値であり、統計的にも近年は28~29年のローテーションだと言えそうだ。

ところで先週のコラムにも書いたが、他の第一次産業と比べて林業の大きな特徴のひとつは、収穫時期の決定にプラスマイナス数年とかなりのバッファーが許されることだ。そこはなんと言っても市況、そして当座の資金繰りや将来的な安定供給能力を考慮しての、経営判断力の見せどころとなる。


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