[089] ラジアータの樹齢構成

ニュージーランド林業を代表する樹種であるラジアータパインの、樹齢構成を見てみる。

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前回のコラムで紹介したように、ラジアータパイン伐採時の平均樹齢が近年は28~29年生ということで、樹齢30年以上の人工林面積が右肩下がりになっているのは分かる。少し意外に感じるのは、全体の樹齢構成を国単位で見る限りにおいて、それほど法正林に近い印象は受けないという点ではないだろうか。

端的に言うとそれは、その時代時代の植林活動がマクロな市況や世相を反映しているからだ。実際に、ニュージーランドの近代林業史約100年の中で、植林ブームと呼ばれるものが過去3度あった。その第3次ブームの時「ラジアータ林業(への投資)は儲かる!」という気運の下に植林されたものが、グラフ上の現在20年生前後のところに集中している。

もちろん、人工林のすべてが統計上の平均値28~29年で伐採されるわけではなく、実際の収穫量はマーケットの需要やオペレーションの事情に合わせて均されていく。しかしながら、現在20年生前後をピークとする「第3次植林ブーム」世代と、そこから10年生前後への落ち込みとのギャップが、近い将来の原木供給に影響を与えることは間違いない。


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