ニュージーランド(ラジアータパイン)の丸太価格とその推移について。前号コラム#096に寄せられた質問、無節丸太の価格プレミアムにも触れる。
グラフでは大きく五つのグループに分けたが、それぞれのカテゴリーに複数の等級や仕向け先が存在するので、当社独自で指数化していることを先に断っておく。NZドル建てを円に換算すると、2017年の丸太価格は大まかに言って、一般製材用(節有)が一万円前後、無節丸太だとその3~5割増しといえるだろう。
ニュージーランドは対アジア向け主要丸太輸出国だが、もちろん国内製造業も存在し、価格もそれぞれの需給状況や相場に連動して推移する。一般には、輸出向け価格が国際市況や競合の動きによって比較的大きく上下するのに対し、国内向け価格は輸出価格変動に影響を受けるものの、その振れ幅は小さい。
上図では、良質なクリア材の取れる無節(枝打ち)材の価格プレミアムも見てとれる。前号コラムで枝打ちの実施状況を書いたが、コストが増す分、価格もそれを補う以上のものが求められる。市場の原理原則は常に需要と供給。需要が無ければ、「(需要を)創る」か「(生産を)止める」しかない。
総じて、コモディティゆえに相場の上がり下がりは付き物であるものの、この10年強ほどのラジアータパインの丸太価格は、それ以前と比べて安定していると言える。特にリーマンショック以降のゆるやかな上昇傾向は、中国市場の台頭からの伸びと、堅調な国内景気を反映している。
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