[111] 森林作業中の死亡事故

その作業の性質上、林業が危険をともなう仕事であることは言うまでもないが、2017年、ニュージーランドでは7件の死亡事故が報告された。

まず、2010以降のニュージーランド国内における森林作業中の死亡事故件数を、作業タイプ別に見る(図1)。2010年以降8年間の死亡事故38件中、立木の伐倒作業中に起こった事故が22件(58%)と最も多く、以下、架線集材作業中(18%)、車両・機械運転中(16%)と続く。111a

次に、同統計を年齢層別に見る(図2)。同38件中、15~24歳時での事故が9件(24%)と最も多く、25~34歳(21%)と35~44歳(21%)が同数で並ぶ。111b

特に2013年に10件の死亡事故が報告されて以来、より包括的な安全対策の必要性が叫ばれ、業界を挙げて様々な取り組みが実施されている。その効果か、実際に2013年以降、単位人数あたりや単位伐採量あたりの傷害事故件数は減少傾向にある。しかしながら、2017年の死亡事故が2013年以降最多であったことも事実である。これは、国全体の伐採量増加にともなう熟練コントラクター不足と無関係ではないのかもしれない。

そもそも、これらの数字の増減は統計上の結果であって、目標値はたったひとつしかない。「0」を目指し、さらなる安全対策の浸透・徹底が望まれる。


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