ニュージーランドの原木出材量が増え続けている。
ニュージーランドの原木出材量は、市場影響による増減はあるものの、おおむね順調に右肩上がりで推移している。1980年代に年間1,000万立方メートルを超え、2000年代は2,000万立方メートル前後を推移、2011年以降は大幅に増加し、2014年には初めて3,000万立方メートルに達した。2018年3月末期では3,300万立方メートルを超えており、2018年12月末期では3,600万立方メートルという報告もある。
ここで下図を見ていただきたい。地形が日本との共通点も多いニュージーランドは、日本よりも国土面積の小さな国だ。森林大国でもなく、人工林面積にいたっては日本のわずか17%でしかない。ニュージーランドの出材はほぼ全量がこの人工林からで、それでいて上記の出材量が達成できるということは、生産性が非常に高いと言い換えることができる。
産業の成長にはそのインフラも含めてコストがかかる。にもかかわらずここまでの成長産業化が可能であったのは、ニュージーランドの林業が収益性の高い「儲かるビジネス」であるからに他ならない。そこには時代に即した迅速な意思決定、徹底した集約的施業と合理的な市場戦略があった。この地には、潔く生産性を突き詰める林業が存在する。
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