[081] ホウ酸処理済み2×4

朝もやの中、散歩がてら近所の新築中の家をしばし見学。
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ニュージーランドの一般住宅建築は、90%以上がこういった木造の2x4工法です。写真のフレーミング材はもちろんラジアータパイン。ピンクがかって見えるのは、ホウ酸による防腐処理済みの材を使っているため。このように、ニュージーランドでは住宅の枠組に、ホウ酸処理した2x4材が使われています。ラジアータパインの特性を活かして、専用シリンダー内で加圧注入することにより、材の奥深くまで防腐溶液が浸透しています。

ホウ酸は鉱脈で採掘されるホウ酸塩鉱物を精製して作られますが、鉱脈のほかにも、海水、淡水、岩石、すべての植物、土壊などに存在する天然物です。すなわち「自然素材」ですから、いわゆる「農薬系」とは違って環境や人体に優しい。特に哺乳動物に安全で、哺乳動物以外には厳しく作用するといった特徴があります。分解や揮発することが無いので、効果も低下しません。ニュージーランドでは1950年代より優れた木材保存処理方法として広く使われており、アメリカやオーストラリアでもその効果は実証済み。

「日本の家の寿命は30年、欧米は100年。なぜ?」といった問いをよく見かけますが、ニュージーランドの住宅の寿命も、「90~100年」と言われています。建築法によって、荷重のかかる(部材取替えの困難な)構造材などには、50年以上の耐用年数が求められます。安心して住める家・長持ちする住宅、の重要なポイントのひとつです。


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