[116] 大雨で林地残材流出被害

これは天災なのか、人災なのか。

ニュージーランドは北島東部のイースト・コースト地域にて、先月からの二度の大雨により皆伐跡地から大量の林地残材が流出し、民家・農地や道路・橋梁などに局地的な被害が出ている。市場原理に跳ね返された未回収の残材が、自然災害に端を発し引き起こした地方集落への損害。地域住民は森林業界と地方行政に対し、責任の所在と補償方針を明らかにするよう訴えている。行政側は将来的な予防策を含め、三ヶ月以内に報告書をまとめるとのこと。

集水域を軽視した急傾斜地におけるずさんな伐採後管理はあったのかもしれない。なんらかの補償はなされると思うが、あらゆる投資にはリスクが伴うように、当該地域が経済的に長年林業の恩恵(リターン)に大きく与ってきたのもまた事実。今回は成長市場主義の負の側面が局地的な事態でクローズアップされるかたちに。地方行政や業界団体の発言や対応に注目したい。

写真: 被害状況の一部と、急傾斜地での皆伐施業後(再造林地)の様子
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