[145] 2020年7~9月期GDP

ニュージーランドの2020年7~9月四半期GDP成長率は、プラスに戻って14.0%と大きく上昇した。

いわゆる「リセッション(景気後退=二期続けてのマイナス成長)」をあっさりと抜け出し、この数字だけで見ると二期にわたるコロナ減分をきれいに取り戻したかたち。もちろん、観光業など引き続き大きな痛手を被っている産業も多々あるわけだが、国単位・マクロ視点で言うと狙い通り、『攻撃(早期の徹底したコロナ対策)が最大の防御(経済への打撃を最小化)』であったように現時点では見てとれる。1224

林業・木材産業に関しては、今年後半には輸出丸太需要も国内製品需要も完全に復調し、生産量等は早々に通常(コロナ以前)の水準に戻った。輸出で言えば、中国の丸太需要が予想以上に早く回復し、その後も堅調なことに尽きる。国内では潜在的住宅不足に加え、コロナ禍での低金利政策や海外在住ニュージーランド市民の帰国が追い風となっている。

政権では今年10月、コロナ対策で世界的にも名を上げたアーダーン首相率いる労働党が、ニュージーランド現行選挙制度史上では初となる一党単独での議席過半数獲得、圧倒的な支持を得て二期目に入った。国際情勢も国内市況もまだまだ先行き不透明であることは言うまでもないが、少なくとも国政面では安定した前進が期待される。


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